2011年5月19日木曜日

ベンチで出番を待つ新時代のエネルギー達




さて今回は、シェール革命やメタンハイドレート等の有名エネルギーは完全スルーしちゃって、
俺が知ってる中で、あんまりマスメディアが取り上げそうにない、
でも、いつの日か主力のエネルギーになるかもしれない(?)
ちょっと地味目な未来の新エネルギー技術をいくつか載せておこうと思います。











まずは大きい話から、宇宙太陽光発電について書こうかな。



宇宙にソーラーパネルを広げ、そのエネルギーを電波(マイクロウェーブやレーザー波)に変えて地上に送り、
地上で受け取った電波をエネルギーに戻す、という技術です。


静止軌道上にパネルを展開すれば年中無休で常に発電が可能だし、
太陽がなくなるまで膨大なエネルギーを好きなだけ使えて環境汚染も無い。



そんなSF、夢物語だと思う?



ところがこの技術、既に米国では80年代から研究されてて、
確かクリントン政権の頃には、NASAから

「もう技術的には何の問題もなく、予算さえつけば
発電コストも現在の発電と同じぐらいの単価でいつでも実現可能だよ」

という報告がされていたと思います。



日本でも我が愛しのJAXAが研究してて、技術的にはとっくに実現可能、
既にエネルギーの変換効率を更に良くする、というレベルの研究に到達してて、

「2020年か2030年ぐらいには実用化できると思います、あとは予算が…」

って言ってたような気がします…。
(↑うろ覚え)



宇宙のソーラーパネルって言うと、ガンダムのソーラーシステムみたく体が焼けちゃうんじゃないの、とか
電子レンジみたく、送信範囲の下に行くと体が煮えちゃうんじゃないの、
なんて思われる方がいらっしゃるだろうと思うんですが、
地上に送る電波の密度をうんと下げて、広い面積のアンテナ(レクテナ)で受けるから
大丈夫らしいですよ。


変な例えしか思いつかないけど、東京タワーから出る電波で体が煮えた人とか
あんまり聞いた事ないでしょ。



問題点は、やっぱりスペースデブリ(宇宙ゴミ)ですかね。



今、地球の周りには、古くなった人工衛星等のゴミがものすごくたくさん浮かんでて、
戦場の弾丸みたいに、すごいスピードでビュンビュン飛び回ってるんです。


これをなんとかせにゃ、ソーラーパネルなんてデカブツは
すぐ穴だらけになってしまうんじゃないかなぁ。





宇宙のゴミ
宇宙のゴミ posted by (C)りうです



そして宇宙の放射線量ってハンパ無い高レベルなので、
建設する時の大工さんや、修理に行く電気屋さんがものすごい被曝すると思うんで
現時点ではその辺も課題でしょうね。



上記のレクテナ、これをナノテクレベルまでぐっと小さくしてソーラーパネル等に用いると、
理論上は既存の太陽電池よりもずっと効率良く光をエネルギーに変えられるらしいんですが、
今調べてみたら、米国での実験では、変換効率1%ぐらいにしかならなかったらしいです、あらら。


こっちの実用化はまだ少し遠そうですね。











お次はうって変わって、うんと小さい「微生物」のお話、行きましょうか。



これは結構新しい話だから覚えてる人も多いかな、
筑波大学のみんなが沖縄で、ものすごい「藻」を発見しました。



その名も「オーランチオキトリウム」。



藻なのにドイツ貴族の如き重厚な名前がついててビックリですけど、その性質はもっとビックリ、
有機物を食べて、炭化水素油、つまり石油の代わりになる油を生産するんだそうです。


「石油を作る藻」って言うと、ボトリオコッカスはみんな前から知ってたと思うんだけど、
オーランチオキトリウムは実用化が目の前にちらつくほど、遥かに効率が良いんだよね…。


…どっかにちゃんとした資料がないか、ちょっと探してみるわ…。


…あったあった!


今、調べたら、この藻を見つけた筑波大、渡邉先生による
オーランチオキトリウムに関する詳しいQ&A記事がありました、
興味のある方はどうぞ、面白いよ。

オーランチオキトリウムが、日本を産油国にする



広さ1ヘクタール、深さ1メートルの池で培養すると、年間1万トンの炭化水素油を作れるそうです、
すなわち全部で2万ヘクタールの養殖池ができれば、海外からの石油輸入量2億トン全てを
国内のオーランチオキトリウムだけでまかなえる、って事です。



藻すげー (゚Д゚;)



渡邉先生は下水処理場の汚泥や工場の有機排水をエサにするシステムを挙げてたし、
例えば、牧場のボロを池に投げると藻が食べて石油を産み出し、
処理した後の藻は牛馬のエサになる、なんて循環システムが将来できるのかもしれません。



ちなみに上記、宇宙太陽光発電のレクテナ設置にも関わる話だけど、
日本は耕作放棄地だけで、38万6000ヘクタール。
土地が足りなくて困る、って事はなさそうですね。



問題点は、藻の攪拌に関わるエネルギー消費・コストを抑える事と、
できた油の抽出・精製コストを抑える事だそうです。



あぁ、火力発電だと温室効果ガスの排出を気にする方がいるかもしれませんけど、
CO2を吸着する技術についても、様々な大学や研究機関であらゆる方法の研究が進んでいて、
取り出したCO2を地中・水中に埋める技術(CCS)の研究や
バイオリアクターのエネルギー等として使えないかな、と考えておられる方もいらっしゃるようです。



渡邉先生曰く「10年後ぐらいを実用化の目標にしたい」との事なので、
宇宙太陽光発電と同じぐらいの時期、2020~30年頃には
レクテナの下に池を作り、藻を養殖する農家ができてたりするのかもしれませんね。







あとは…太陽熱発電とか、かな。



とりあえずこちら、アメリカのエリック君が衛星放送のアンテナに小さい鏡5800枚を貼って作った、
その名も「ソーラー・デス・レイ R5800」をご覧下さい。






差し出した木材は一瞬で発火、アルミ缶は焼き切れ、コンクリートは溶け出し
最後にはR5800をしまっておいた物置まで燃え出し火事になっちゃってR5800自体も溶けちゃった、という
自らの存在さえ焼き尽くしてしまった殺人光線発生装置の、在りし日の映像です。



エリック君はこれにめげず、いつの日か鏡32000枚を使った
パーフェクト・ソーラー・デス・レイを作るのが目標だそうです。


エリック君の未来に幸あれ。

(参照:Mail Onlineの記事より



太陽光は、この大きさの手作り装置でも、これだけものすごい熱量を集められるんですね。



で、これ単体だけだと、単なる焦熱地獄光線発生装置でしかないんですが、
例えば天体写真を撮る時に用いる自動追尾赤道儀のような物を、エリック君のソーラー・デス・レイに組み込めば
延々と太陽を追いかけ、光を集め続ける事ができますよね。



で、集め続けた熱で、お湯を沸かし続けてタービンを回したり、
ソーラー・デス・レイの前にスターリングエンジン(熱で動くエンジン)を置いてみたらどうだろう、
と考えたのが太陽熱発電システム、というわけです。



燃料代が無料だし、燃料を使わないから温室効果ガスも排出ゼロ、という
素晴らしいシステムで、既にアメリカやスペインで実用化されているんですよ。


問題点は、やはり天候。


安定して発電するには、砂漠のような、一年中晴れている所が前提になるので
日本のように天気がコロコロ変わる所ではあまり相性が良くない、とされており、
30年ぐらい前、四国で行った太陽熱発電の実験でも、実用化させるほどの好結果は得られなかったようです。



それでもガスとの複合発電をしたり、真夏のガンガンに暑く晴れた日の補助電力として、など
他の技術と組み合わせれば有効に活用できそうだし、デメリットが極めて少ないシステムだと思うので
ただ放っておくだけ、ってのは、ちょっともったいない技術じゃないかなぁ、と、個人的には思います。











あぁ、この手の話は書いてて本当に楽しいねぇ…あっという間に長くなってしまう…


他にも高千穂牧場や中国で行われている、牧場で発生するメタンガスを取り出し発電、なんて話や
以前、渋谷駅や東京駅に設置されていた振動力発電床と音力発電、なんて話もしたかったけど
長すぎてキリがなくなるからやめとくか…。



あ~……こういうネタは、みんなが平和な時に、じっくりと書きたかったなぁ……。



まぁ、どれも実現化にはしばらく時間がかかりそうなので、
まずは喫緊の節電対策として、女子の皆様方には、やはり水着になっていただいてですな、
いやいや、決していやらしい気持ちで言ってるのではなく、
国家全体の大局を鑑みるに、マニフェストをアジェンダする事によってどうのこうの、うふうふ( ´ ii ` )